唐松岳 |
2009/05/05 |
剱岳の展望台、唐松岳。
晩秋の新雪の時期に一度登ったことがあったので、今度は残雪の時期に行ってみたいと思いました。
そしてもし余裕があれば、2日目は五竜の山荘まで行きたい。
無雪期にもまだ行ったことのない五竜岳なので、とりあえず唐松岳まで行って考えようと思いました。
ゴンドラ・リフトを乗り継いだ先は既に1,800mの地点。
空は快晴、短いルートだし、今日はのんびりと歩けそうです。
八方尾根スキー場は雪が解けていたけれど、尾根まで上がるとまだまだたっぷりの残雪が残っていました。
そんな中でも春の陽射しを浴びたダケカンバたちがイキイキと枝を広げて、春の訪れの喜びを体中であらわしているように感じました。
下の樺でテントを広げている人たちがいました。
白馬三山を間近に、そして足元には白馬の街並みが広がっています。最高のテン場です。
ダケカンバたちがあまりにも綺麗だったので、のんびりとくつろぎました。白馬岳をバックに立ち並ぶダケカンバたち。
まるで植樹されたように美しい景観でした。
尾根を歩いていると、目に飛び込んで来るのは鹿島槍ヶ岳と五竜岳。
まだまだしっかりと雪がついて迫力あるけれど、近くの尾根の雪は少しずつ解け出し残雪独特の色になっていました。
ハイマツも顔を出してぬくもりでまわりの雪を解かしているのを見ると、春の訪れを感じます。
休憩ポイントを発見しました!
雪の上を歩いているとなかなかゆっくりと腰をおろして休憩できないので、貴重な場所です。
綺麗な景色を眺めながらお昼ごはんを食べてのんびりくつろぐ時間は最高です。
そしてこれから向かう先を目にすると、目的地の稜線が見えるようになってきました。
望遠レンズで五竜を見てみると、稜線上にはいくつもの雪庇ができています。
でもルート上にはしっかりとトレースが付いているみたい?
問題は牛首のクサリ場の辺りです。
山頂直下の雪面に光が当たって輝いているのがとても綺麗でした。
真っ白の雪原から次々と顔を出す陸地。
ダケカンバのぬくもりで少しずつ雪が解けていく様子を見ると、まだまだ寒いのに樹々のエネルギーが感じられます。
冬の厳しい時期を乗り越えた樹々たちだけが得られる陽射し。今頃は、ホッとしている頃なんだろうな。
やはり無積期とは違い、歩き辛さと荷物の重さから倍の体力、そして倍の時間を使っているように感じます。
でも目指す唐松岳がよく見えてきたので、ここまで来るとあともう少し。ただその前に、目の前の急坂を登らないといけません。
写真ではこの急坂をよく表現できないのが悲しい・・。
でもそれは脳で都合良く?急なイメージに変換されているからかもしれません。
でもこの急坂はまだまだ序の口でした。
小屋まであともう一歩のところの最後の急登で、顔を出したハイマツが道を塞いで足場が悪く、ハイマツをなるべく傷つけないように・・でも足を踏み外せば沢に転落してしまいそうな場所。
顔を出し始めた岩場、そしてアイゼンとピッケルの扱いがうまく行かず、重いザックを抱えながらかなり神経を使いました。
ようやくテン場に着いた頃は、他の人たちはもう食事の用意を始める頃。
いつものことなんだけど少しのんびりし過ぎたかな?
辛うじて剱岳を目の前に望める場所を確保でき、急いでテントを張って、唐松岳山頂へ。
既に少し陽が傾き始めていましたが、夕陽には間に合ったようです。目の前に迫った五竜岳の光と影。夕方の光を浴びて美しく輝いていました。
白馬岳へと続く、不帰の瞼を真上から眺めると、稜線の向こう側はすっかり雪が解けて対称的でした。
この辺りの稜線は非対称山稜で、傾斜が緩い富山側と、対称的に急な長野側。
富山側はあまり雪が積もらず風で吹き飛ばされたんだろうな。
太陽が一日の最後の光を放ち、モノトーンの世界へ。
雪の季節は、この色を失ってゆく時間帯がとても好きです。
夕陽は剱岳北方稜線の山々の向こうに沈んでゆきました。
逆光でシルエットになった山々が手前の尾根に光が当たって更に際立ち、浮かび上がる姿がとても綺麗でした。
朝の3時半に目覚ましを合わせ、4時にふたたび山頂へ。
朝の光がほんのりと感じられるようになった頃、徐々に明るくなってきて、そして振り返ると唐松岳頂上山荘と我が家のテントが小さく見えました。
雪の中のテントたちが寒そう・・。
太陽が昇ってくる方角に雲が広がってきました。
時計を見ると既に日の出の時間が過ぎ、空が明るくなってきました。
もしかしたら今日はご来光は難しいかな?
朝早く起きたのにとても残念な気持ちになったけれど、もう少し待ってみようと思い、でも気づけば既に山頂には1時間以上いることに。
寒さに耐えきれなくなった頃、雲が薄くなってきました。
しっとりとした光だったけれどそのおかげで周囲の山々がやわらかな光の中、浮かび上がりました。
静かな夜明け。でも太陽が昇るとほっとするようなあたたかさに包まれました。
遠くの白馬の町の水田が光を反射し輝いているのが見えました。
まわりの山々に陽が差し込むのをどうしても眺めてみたいと思い、あともう少し、あともう少しと思いながら限界まで寒さと闘いました。
凍て付く寒さにからだがもう限界と思ったところに、ようやく五竜岳にも光が当たり始めました。
遠くに槍・穂高も見ることができ、頑張った甲斐がありました。
立山連峰にも光が当たりました。
やはりこちらの稜線のほうがたっぷりと雪がついているように感じます。
結局、2時間ほども山頂で過ごしていたことになり、小屋へ避難することに。
太陽が昇ったとはいっても体が冷え切ってお腹も空いて、今度こそもう限界です。
小屋でのんびりした後に、牛首までお散歩へ行ってみました。
天気が少しずつ下り坂ということと寒さで体力を消耗したということ。
そしてやはり無雪期に行ったことのないルートは危険だと思ったので、五竜岳へ向かうのはあきらめました。
気になっていたのは牛首の岩場。
大きなザックを抱えて越えられるか不安でしたが、雪も残っていなかったので登ってみると何とか大丈夫そうでした。
牛首もまたとても眺めの良い展望台でした。
5/2・祝:晴れ:八方池山荘~八方尾根~唐松岳頂上山荘(テン泊)
5/3・祝:曇り:唐松岳頂上山荘~唐松岳~牛首~八方尾根~八方池山荘