立山縦走 |
2011/07/15 |
白山から下りて来てからまだ1週間ですが、連日の猛暑に耐え切れず、今度は立山へ向かいました。
たっぷりの残雪、心地よい縦走歩き、そして別山からの剱岳に魅せられました。
まだ疲労が残っているので今回の荷物は最軽量です。
重い三脚も望遠レンズも置いて、必要最低限の装備で出掛けました。
高原バスに乗っていると朝から真っ青な青空が広がり、立山も剱も綺麗に輝いていました。
早く稜線から剱岳を眺めたいので、青空が広がっている間に雷鳥沢から剱御前へ登り、剱岳を眺めたい。
いつもとは逆から回ることにします。
室堂に着き、つい数日前にオープンしたばかりの、「ノースフェイス ホテル立山店」へ。さすがお洒落な雰囲気でした。雨具やソフトシェル、帽子や手袋などの小物もあるので、もしどうしても足りないものや忘れたものがあった時はここで調達できていいかも。スタッフの方にお話を聞くと、これほどすっきりと綺麗に晴れ渡った日は一週間ぶりくらいとのことでした。
まずはみくりが池へ。
雪の中から顔を出し、深くて真っ青な湖面に雪が浮かんでいる姿はまるで流氷のようでした。
前回の白山の翠ヶ池も素敵でしたが、この季節は雪解けの様々な変化を見ることができます。
とはいっても今年はやはり残雪が多く、例年では6月末頃の風景でしょうか。
室堂平には、みくりが池の他にもみどりが池やリンドウ池などありますが、まだ大部分は雪の中でした。
でもこの血の池もまた雪解けの姿を見ることができました。
酸化鉄により赤みを帯びているためにこのような色をしていますが、解けかけた雪にもその色が移っていました。より血の池独特の雰囲気があらわれ少し怖い気持ちで通り過ぎます。
雷鳥沢に着いたのは、午前9時。
テン場には4、5張りほどのテントが張られていましたが、まだ大部分が雪の中だったので、皆さん雪のないところを選んでテントを張っていました。
空は真っ青な青空。称名川の清らかな流れ。今から川を渡り、正面の雷鳥坂を登ります。もう登っている人たちが小さく見えます。
事前に剱御前小舎でお話を伺ったところ、雪は最初のしばらくの間だけでアイゼンは要らないとのお話でしたが、本当にアイゼンなしで行けるでしょうか?
しばらくは雪上歩き。
テン場から眺めた時は急に見えた残雪ルートも、実際に登ってみるとそれほど急ではありません。
目印のポールも立ててくださり迷うことはありません。
雪の上を涼しい風が吹き、それに逆に雪のほうが歩きやすいのでとっても快適!と思っていると、あっという間に夏道に出てしまいました。
登って行くうちに、室堂平全景を見渡せるようになってきます。
まだまだたっぷりの雪を抱えた雷鳥平、そしてその向こうの室堂平。
足もとにはお花開いたばかりのナナカマド。
真っ青の青空と、雪の解けたところから顔を出した樹々の緑との夏山らしいコントラストがとても綺麗でした。
ところがあともう少しで稜線というところで、空全体に雲が広がってきました。雲が広がるごとに焦る気持ちでダッシュで駆け上がったので、雷鳥沢から1時間強で剱御前小舎へ。
でも楽しみにしていた剱岳は今まさに山頂からガスがかかり始めたところでした・・(泣。
しばらく待ってみてもガスが広がるばかり。そしてとうとうすべてを覆い尽くしてしまいました。
天気が悪くなって来ると一気に疲労感を感じ、しばらく休憩。でもどうせなら別山まで行ってからのんびりしようと思い立ちました。別山で剱岳があらわれるのを待ってみようかな。
ガスの晴れ間に剱沢一帯が見えました。こちら側もまだたくさんの雪が残っていました。
景色の見えない中で、別山へ登る道。
適度に勾配もあるのでグッタリです・・。
別山の北峰まで足をのばすと、ガスの切れ間から剱岳の岩壁が見えました。
覆われている中でも動きがあるみたい。
待っているともしかしたら姿があらわれるかもしれません。
ここで時間がある限り、のんびりしようかな。
ちょうどもうしばらくで12時だしお昼の休憩です。
待っていて良かった・・
と思っていたら、瞬く間に剱岳は再びすっかりガスの中へ。
ただ剱岳は特に全体の姿があらわれているよりも、このように雲の中で時折姿をあらわすほうが似合っているように感じます。
なかなかあらわれない様子を眺めていると、近づき難く恐れ多い山、そしてより険しさが一層引き立つように思えます。
そろそろ準備をして先へ進まないと時間が・・と思った頃、
またまたガスが流れ、今度はすっきりと山頂があらわれました!
まだ雪が深く残る剱岳。とにかく迫力満点でした。
今度こそ待っていて良かった・・
結局、気付くと1時間以上も別山北峰で過ごしていました。
そしてまた、あっという間に雲が流れて覆われていきました。
ほんのしばらくだけ微笑んでくれた剱岳。
図々しくもそんなふうに考えてしまうほど、とても良いタイミングで休憩中に眺めることができました。
写真の足もとに見える3つの白い点は、クライマーたちのヘルメットです。
別山一帯には、たくさんのイワウメが綺麗に咲いていました。
岩と岩の間に咲くお花畑。
かがんでみると、たくさんの瞳に見つめられているようで、何だか照れくさい気持ち。
ようやく訪れた暑い夏に元気いっぱい、微笑んでいるようでした。
別山山頂はなだらかで気持ちのいい丘。
そしてその丘が北峰まで続いています。
天気が良ければ立山と剱岳のどちらも眺めることができ、その展望の良さから以前は立山信仰の参拝者がこの場所から剱岳を拝んでいたそうです。
北峰から戻ってくると、小さな池に出会いました。
静かに雪解け水をたたえた硯ヶ池、澄んだ水がとても綺麗でした。
標高2,880mの、日本でも高所に位置する池。
秋には涸れてしまう、ほんのひとときの光景です。
小さな丘に登って全体像を撮ってみました。
今年は雪解けが遅いので、この時期にしてはまだ小さいのでしょう。
でも暑い日が続いているので、あと一週間もすればまた全く姿が変化しそうです。
その時々で見ることのできる風景との出会いに感謝しながら先へ進みます。
別山から一気に下り、真砂岳へと続く稜線へ。
真砂岳付近はなだらかなお散歩道なので、とても気持ち良く歩くことができます。
いつか訪れてみたい内蔵助山荘も望むことができました。
前方から2人歩いてきます。でも縦走コースですれ違った人は、この2人が最後となりました。
日曜なのに不思議に感じましたが、まだ雪が豊富に残っているので縦走する人は少ないのでしょう。
雪渓上部の雪がまるで、人工的に削り取られたような壁となって残っている箇所がありました。
こちらも大きな雪渓ですが名前は付いているのでしょうか?
立山の雄山の東側斜面にある御前沢雪渓は、氷河である可能性が高いと去年発表されていましたが、その後の研究はどこまで進んでいるのでしょう?いつの日か氷河だと確定される日が楽しみです。
反対の室堂平側を眺めると陽が射し込んで来ました。
雪が割れた箇所の陰影が際立ち、残雪の模様がとても綺麗でした。
その向こうに見えるのは、エスケープ時に使える大走りルートです。
足もとにはミヤマキンバイが可愛らしく咲いていました。
そしてまた後ろを振り返ってみると、別山がとても大きく聳え立っていました。
とても偉大、どっしりと構える姿。
歩き進むごとに次々と姿が変わって行きます。
これも濃いガスがあるからこそ眺めることのできる表情だと思います。
コイワカガミも咲いていました。
調べてみると、このお花はどうやら蕾の時はピンク色を帯び、
お花が開くと白っぽくなるようです。
良く見てみると確かにまだ蕾のようです。
良く見掛けるのは確かにもう少し遅い時期なので、
白いお花の印象があったため新鮮に感じました。
お花の写真を撮っている間に、またガスの流れが刻々と変化し
視界が厚い雲で覆われていきました。
固くしまった雪面、そして激しいガスの流れ。
3,000m級の稜線だからこそ見ることのできる風景なのですが
雪面がまるで地平線に見え、別世界のように感じました。
真砂岳に着いたのは、もう14時を回っていました。
最終バスは17時。あと3時間もあるので大丈夫そうです。
ここまである程度急いで来て良かった。
でものんびりお散歩道はこの辺りでお終い。
これからは富士の折立に向かってあの黒い岩壁を急登です。
ちなみに富士の折立は、剱岳と同じく標高は2,999mです。
空が怪しげなので、またある程度急ぎ足で登ります。
間近で見上げると迫力満点の富士ノ折立。
富士ノ折立への登りは、雄山の登りと比べると
半分ほどの距離ですが、急な部分は同程度の斜度があります。
雄山と比べると岩が少なくザレて滑りやすいように感じるので気をつけて登ります。
随分登ったところで振り返ります。
全景に足もとの岩を配置すると迫力満点!
下の道から一気に登ってきました。
そしてまた青空が出てきました。
今歩いてきた稜線、そして別山、その向こうに剱岳が美しく姿をあらわしました。
赤い屋根は内蔵助山荘です。
15時に大汝山頂に着きました。
立山は雄山が主峰となっていますが大汝が一番標高の高い地点なので、せっかくなのでしばらくのんびりします。
眼下には小さく点のように動くロープウェイ。
そして黒部湖の向こうに針ノ木岳が聳え立っています。
さて雄山へ向かいます。
まだたくさんの雪を抱えた姿が美しいです。
既に夕方の光になってきました。
時間は15時過ぎ。最終バスは17時なので時間はあるとのんびりしていましたが、よく考えてみると、コースタイムでここからさらに2時間近くもあることに気付きました!大変!コースタイム通り歩いたらギリギリ間に合いません・・ダッシュで降りなきゃ!
雄山からの道は幸い雪はまったく残っていませんでした。
ところが急いで駆け下りていると、途中で道を間違えてあたふた。
道が急なので、一歩道から外れると危険です。
四ノ越、三ノ越・・一ノ越が遠くに感じます。
随分と下りて来たところで、槍ヶ岳が遠くに小さく姿をあらわしていることに気付きました。
そろそろ疲れて来た体もおかげで少し元気が出てきました。
ようやく一ノ越に着いてホッとしましたが、ノンストップで先へ進みます。
一ノ越から先はまだまだたっぷりと残雪が残っていて、でもそのおかげで足に負担がかからず歩きやすくとても助かりました。
でも歩きながら何度ももうダメかと思いながら室堂に着いた時は、最終バスが出発する10分前でした・・(汗。
どうやら次の週末になると最終は50分のびて17時50分になるそうです。
時間を考えると日帰りなのに稜線で少しのんびりし過ぎたかもしれません・・が、そのおかげで別山からの剱岳を眺めることができたので良かったと思うことにします。
7/10・日:晴れのち曇り:立山室堂~雷鳥沢~剱御前小屋~別山~真砂岳~大汝山~雄山~一ノ越~立山室堂